
大阪弁護士会主催の交流会で「消費生活相談員の課題」を報告
3月11日、大阪弁護士会主催の「第11回 地域で防ごう消費者被害 大阪交流会」が大阪弁護士会館で開催されました。
この交流会では、大阪府や各自治体の消費者行政担当者、弁護士会、司法書士会、消費者団体が集まり、情報共有を行いました。
ゲストとして、公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)および公益社団法人 全国消費生活相談員協会(全相協)が参加し、消費生活センターでの相談員の業務について発表しました。
その後、消費者ラボの能登から「消費生活相談員の課題」の要点を説明し、参加者と意見を交わしました。
消費生活相談員を取り巻く3つの課題
社会の変化に対応できる相談員の育成
現在、消費者トラブルはデジタル化や金融リテラシーの変化によって複雑化しています。
そのため、消費生活相談員には、試験の範囲を超えた幅広い知識が求められるようになりました。
消費者ラボでは、「ITパスポートやFP技能士などの国家資格を活用し、消費生活相談員が暮らしのお金やデジタル手続きを体系的に学ぶべき」と提案しました。
単なる付け焼き刃ではなく、基礎から知識を身につけ、一定の基準を満たすことが重要だと考えています。
消費者庁の担い手確保事業と、自治体採用のズレ
消費者庁は、新たな消費生活相談員の育成を目的に「消費生活相談員担い手確保事業」毎年実施しており、年間2,000人規模で受講できる仕組みを整えています。
しかし、実際の自治体の採用では、経験者が優先されるため、資格を取得しても未経験者はなかなか就職できません。
その結果、試験範囲の知識だけを持つ経験者が固定化し、デジタルや金融の最新課題に対応できないまま、消費者行政のサービス品質が低下している可能性があります。
消費者ラボは、この現状を指摘し、行政のあり方について問題提起を行いました。
消費生活相談員の待遇改善
多くの自治体で募集される消費生活相談員の年収は200〜280万円程度と、専門職としては十分な報酬とはいえません。また時代の変化に合わせるために学びながら生活ができるレベルでなく、「やりがい」や「志」を人質にして、低賃金での労働を継続させています。
このままでは、持続可能な仕組みとは言えず、次世代の人材確保にも逆行しています。
「この待遇では、子どもに『将来なりたい職業』として勧められない」という意見もありました。
また、冗談交じりに「こんな現状のままでSDGsを語るのは矛盾しているのでは?」との声もありました。
交流会の反響と今後の展望
消費者ラボの能登は、現状の課題について率直に報告しました。
その結果、多くの参加者から「課題が明確になった」「とても参考になった」との声が寄せられ、わずかながらも変化の兆しを感じることができました。
消費者ラボは今後も、専門的な調査報告を忖度なく行い、課題を共有することで、よりよい消費者行政の実現を目指していきます。



コメント